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易の八面体サイコロ|黒が外卦(上卦)、赤が内卦(下卦)に納得できる理由とは?《実例紹介》

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易占いの方法 易占いをする方法は、筮竹、コイン、サイコロ(ダイス)など様々な方法があります。 本格的に易を立てる場合は筮竹が用いられますが、筮竹がない時はお財布にある硬貨などを使って占うこともできます。 六十四卦をカードにしたイーチンタロットも人気がありますが、卦だけでなく爻まで一度に得たい場合には、易用の八面体サイコロを使用するのがおすすめです。 八卦(乾=天、兌=沢、離=火、震=雷、巽=風、坎=水、艮=山、坤=地)を覚えれば、易用の八面体サイコロを使用して手軽に易占いをすることができます。 易の八面体サイコロの上下 一般的な易サイコロは、黒色で八卦が印字されている八面体のサイコロと赤色で八卦が印字されている八面体のサイコロ、そして爻を表す数字が印字されている六面体のサイコロの3個セットになっているものが多いと思います。 そこで、この黒色と赤色の2種類の八面体のサイコロに対して、一体どちらを外卦(上卦)でどちらを内卦(下卦)にすれば良いのかと悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。 私も昔若干悩んだ記憶がありますが、易を始めた頃に読んでいた本の著者の方のやり方に従って、黒を外卦、赤を内卦と決めることができたように思います。 最近、なんとなく予備の易サイコロを購入しておこうと思い立ちまして、Amazonで調べていたら以下のような「上卦用紅色・下卦用黒色」との記載を幾つか見かけました。 【商品内容】サイコロ:八面体2個(上卦用紅色・下卦用黒色)・六面体1個(動爻用) 【商品詳細】セット内容:易占い サイコロ 3個セット,3個セット サイコロ 八面体 六面体 占い用,八面体×2((上卦用紅色・下卦用黒色)、六面体×1(動爻用) 【セット内容】八面体x2個(上卦用紅色・下卦用黒色)、六面体x1個(動爻用)サイコロ収納ケースx1 これを見て、易サイコロの黒と赤の上下に悩んでいる人がいるのではないかと思ったので、この記事を書いています。 Yahoo!知恵袋においても、過去に易サイコロの上下についての質問があったようです。 現在も、YouTubeで発信されている方や現役の占い師さんによっても黒色と赤色のサイコロの上下の扱いは各々異なっています。 これについては、どちらが正解ということではなく、ご自分が納得できる方を選んでいただければと思いますが、私は黒=外卦(上卦)、赤...

易占い|64卦384爻|05水天需と各爻のメッセージとは?《人生の指針》

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  Pixabay 水天需のメッセージ 水天需 ䷄ 易占いは、得た卦の卦辞と爻辞また各伝を読むほか、上下の八卦の象意や爻のあり方などをみて、問う人が直感でメッセージを選び取ることができるものです。 以下、周易における 水天需と各爻のメッセージ を簡単にまとめました。 少しでも参考にしていただける部分がありましたら幸いです。 外卦(上卦)☵ 坎(水) 内卦(下卦)☰ 乾(天) 水天需は、待機、待つことを表す卦です。 内卦は乾(天)、外卦は坎(水)なので雨雲と捉えることができ、需は必要なものを意味します。 恵みの雨を待つように、希望を捨てずに積極的な待ち方をする時です。 水天需は待つことを表しますが、待たされているという受け身の姿勢というよりも、自らの意思で待機しているという状態を表しています。 待機している間には、できる限りの準備をしていると良いでしょう。 待つことが鍵となる時ですが、ただ何もせずに待っていればいいというわけではありません。 しっかりとした心構えがあれば、ゆとりを持って時期を待つことができます。 急進せずに備えを万全にしてから慎んで進んでいくならば、道は大いに通っていくでしょう。 恋愛でこの卦を得たら、期待する気持ちと折り合いをつけなければならないこともあるかもしれません。 自他の関係は陰陽であり無常なので、待たされていた側がいつの間にか待たせる側になっていたり、待たせていた側がいつの間にか待つ側になっていたりするものです。 水天需の卦を得たからといってただ待っていても、いつまでも待ちぼうけとなってしまうかもしれません。 漠然とした問いをすると、どちらが待っているのか分からなくなってしまうこともあるので、易で占う場合は誰の現状と位を問いたいのかをはっきり決めてから占うようにしましょう。 また、待つことも極まれば、もはや待つということはありえなくなっていきます。 上爻には、待ち切れずに招かれざる客が並び進んでくるシチュエーションが示されています。 何事も行き詰まれば、新たな展開になっていくものです。 水天需は、人が待機しているさまざまな姿勢を表している卦です。 《各爻の要点とキーワード》 🟥遠くで待つ、険難から遠く離れているので安全、いつも通りにしている 🟧のほほんと待つ、小言を食らいそうなので動かない、悠然と待つ、急進しない 🟨泥で待つ、...

易経|64卦384爻|05水天需(すいてんじゅ)の卦辞と爻辞、読み方、変卦など

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水天需 水天需は、易経六十四卦の5番目の卦です。 ䷄ 卦辞は、以下の通り。 需は孚あれば、光いに亨る、貞なれば吉なり。大川を渉るに利あり。 (じゅは、まことあれば、おおいにとおる、ていなればきちなり。たいせんをわたるにりあり。) 水天需の初爻 水天需の初爻は、陽であり初九と言います。 初九は、陽位に陽で居る正の不及爻です。 🟥爻辞は、以下の通り。 初九は、郊に需つ。恒を用うるに利あり。咎なし。 (しょきゅうは、こうにまつ。つねをもちうるにりあり。とがなし。)  水天需の初爻が変ずると、 水風井 になります。 ䷄ →䷯ 水天需の 二爻 水天需の二爻は、陽であり九二と言います。 九二は、陰位に陽で居る不正の中庸爻です。 🟧爻辞は、以下の通り。 九二は、沙に需つ。小しく言うことあり。終に吉なり。 (きゅうじは、すなにまつ。すこしくものいうことあり。ついにきちなり。)  水天需の二爻が変ずると、 水火既済 になります。 ䷄ →䷾ 水天需の 三爻 水天需の三爻は、陽であり九三と言います。 九三は、陽位に陽で居る正の過爻です。 🟨爻辞は、以下の通り。 九三は、泥に需つ。冦の至るを致す。 (きゅうさんは、ひじりこにまつ。あだのいたるをいたす。)  水天需の三爻が変ずると、 水沢節 になります。 ䷄ →䷻ 水天需の 四爻 水天需の四爻は、陰であり六四と言います。 六四は、陰位に陰で居る正の不及爻です。 🟩爻辞は、以下の通り。 六四は、血に需つ。穴より出ず。 (りくしは、ちにまつ。あなよりいず。)  水天需の四爻が変ずると、 沢天夬 になります。 ䷄ →䷪ 水天需の 五爻 水天需の五爻は、陽であり九五と言います。 九五は、陽位に陽で居る正の中庸爻です。 🟦爻辞は、以下の通り。 九五は、酒食に需つ。貞なれば吉。 (きゅうごは、しゅしにまつ。ていなればきち。)  水天需の五爻が変ずると、 地天泰 になります。 ䷄ →䷊ 水天需の 上爻 水天需の上爻は、陰であり上六と言います。 上六は、陰位に陰で居る正の過爻です。 🟪爻辞は、以下の通り。 上六は、穴に入る。速かざるの客三人あって来る。これを敬むときは終に吉なり。 (じょうりくは、あなにいる。まねかざるのきゃくさんにんあってきたる。これをつつしむときはついにきちなり。) ...

易占い|64卦384爻|04山水蒙と各爻のメッセージとは?《人生の指針》

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Pixabay 山水蒙のメッセージ 山水蒙 ䷃ 易占いは、得た卦の卦辞と爻辞また各伝を読むほか、上下の八卦の象意や爻のあり方などをみて、問う人が直感でメッセージを選び取ることができるものです。 以下、周易における 山水蒙と各爻のメッセージ を簡単にまとめました。 少しでも参考にしていただける部分がありましたら幸いです。 外卦(上卦)☶ 艮(山) 内卦(下卦)☵ 坎(水) 山水蒙は、学びの道を表す卦です。 蒙とは蒙昧のことで、知識や知恵が不足しているためにぼんやりとしていて道理に暗いことを表します。 艮(山)の下に坎(水)があり、霧がかかって見通しが悪く山の全貌が見定められないようなものと捉えることができるでしょう。 また、山の麓の湧き水や地下水の源流はどこにあるのかわからないと捉えることもできます。 山水蒙は、愚かさや未熟さのために現状が把握できずに気持ちや考え方が漠然としていて、進む道が見えなくなっている時です。 このような時は、教育や啓蒙、学びが必要です。 山水蒙の卦には、教える側と教えられる側の正しい心構えやあり方などが示されています。 自ら無知を自覚して主体的に教えを求めていくのが、本来の正しい学びの姿勢です。 無知を自ら自覚することはなかなか難しいですが、常に知るべきことがあるのではないかと自問し続けることはとても大切ですね。 すべての愚かな行為は想像力の欠如から起こりますが、人は自ら気づくことによってしか本当の学びを得ることはできないものです。 時に、求められていなくても「教えてあげたい」「どうしても知らせなければならない」と思って強引に伝えても、本人が求めるまでは本当の知性にはなりません。 教える側の時は、教え込もうとするのではなくヒントを与えるなどして、相手が教えてもらったとさえ思わないよう導くのがベストなあり方と言えるでしょう。 興味や関心自体は他者に与えることはできませんが、自由に表現し続けることはとても大切です。 山水蒙の卦辞には、「初筮は告ぐ。再三すれば瀆る。瀆るれば告げず。」とあります。 これは、易占において「真摯に問うた最初の質問には答えるが、回答を疑って何度も同じことを占えば答えを告げない」ということを意味しています。 易占いをして得た卦が気に入らなかったとしても、まずはそのメッセージを真摯に受け止める姿勢が大切です。 何も行動せずに何...

易経|64卦384爻|04山水蒙(さんすいもう)の卦辞と爻辞、読み方、変卦など

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山水蒙 山水蒙は、易経六十四卦の4番目の卦です。 ䷃ 卦辞は、以下の通り。 蒙は、亨る。我童蒙を求むるにあらず。童蒙来りて我に求む。初筮は告ぐ。再三すれば瀆る。瀆るれば告げず。貞しきに利あり。 (もうは、とおる。われどうもうをもとむるにあらず。どうもうきたりてわれにもとむ。しょぜいはつぐ。さいさんすればけがる。けがるればつげず。ただしきにりあり。)  山水蒙の 初爻 山水蒙の初爻は、陰であり初六と言います。 初六は、陽位に陰で居る不正の不及爻です。 🟥爻辞は、以下の通り。 初六は、蒙を発く。用て人を刑し、用て桎梏を説くに利あり。以て往けば吝。 (しょりくは、もうをひらく。もってひとをけいし、もってしっこくをとくにりあり。もってゆけばりん。)  山水蒙の初爻が変ずると、 山沢損 になります。 ䷃ →䷨ 山水蒙の 二爻 山水蒙の二爻は、陽であり九二と言います。 九二は、陰位に陽で居る不正の中庸爻です。 🟧爻辞は、以下の通り。 九二は、蒙を包ぬ、吉なり。婦を納るるに、吉なり。子、家を克くす。 (きゅうじは、もうをかぬ。きちなり。つまをいるるに、きちなり。こ、いえをよくす。)  山水蒙の二爻が変ずると、 山地剥 になります。 ䷃→䷖ 山水蒙の 三爻 山水蒙の三爻は、陰であり六三と言います。 六三は、陽位に陰で居る不正の過爻です。 🟨爻辞は、以下の通り。 六三は、女を取るに用うるなかれ。金夫を見て、躬を有たず。利するところなし。 (りくさんは、じょをめとるにもちうるなかれ。きんぷをみて、みをたもたず。りするところなし。)  山水蒙の三爻が変ずると、 山風蠱 になります。 ䷃→䷑ 山水蒙の 四爻 山水蒙の四爻は、陰であり六四と言います。 六四は、陰位に陰で居る正の不及爻です。 🟩爻辞は、以下の通り。 六四は、蒙に困しむ、吝なり。 (りくしは、もうにくるしむ、りんなり。)  山水蒙の四爻が変ずると、 火水未済 になります。 ䷃→䷿ 山水蒙の 五爻 山水蒙の五爻は、陰であり六五と言います。 六五は、陽位に陰で居る不正の中庸爻です。 🟦爻辞は、以下の通り。 六五は、童蒙、吉なり。 (りくごは、どうもう、きちなり。)  山水蒙の五爻が変ずると、 風水渙 になります。 ䷃→䷺ 山水蒙の 上爻 山水蒙の上爻は、陽であり上九...

易占い|64卦384爻|03水雷屯と各爻のメッセージとは?《人生の指針》

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Pixabay 水雷屯のメッセージ 水雷屯 ䷂ 易占いは、得た卦の卦辞と爻辞また各伝を読むほか、上下の八卦の象意や爻のあり方などをみて、問う人が直感でメッセージを選び取ることができるものです。 以下、周易における 水雷屯と各爻のメッセージ を簡単にまとめました。 少しでも参考にしていただける部分がありましたら幸いです。 外卦(上卦)☵ 坎(水) 内卦(下卦)☳ 震(雷) 水雷屯は、芽生えの時の産みの苦しみを表す卦です。 雪の中の新芽のように、進もうとしてもなかなかスムーズに進まない時ですが、春が来るのは確実なのでそこに居るという状態です。 内卦の震(雷)は「動こうとすること」を、外卦の坎(水)は「行く手に険難があること」を表しており、逆境や試練の時と捉えることができます。 水雷屯の時は、最初は躊躇せざるを得ない何らかの事情があるために進みにくいですが、条件が整えば進めるようになります。 水雷屯は、四大難卦の一つですが、0を1にするような産みの苦しみなので、最初は芽が出ずに伸び悩みますが、適切な時期が来れば希望は通るでしょう。 対人関係においては、素直な気持ちを表現することが難しく万事滞りがちかもしれません。 恋愛においても何らかの障害があってスムーズに進まない時です。 しかし、賢明な判断をして時期を得れば、困難は喜びに変わっていきます。 長く時間がかかる場合もありますが、試練の時と考えて最後まで希望を持ち続けると良い時です。 また、水雷屯は様々な人間関係の中で自分の居場所を確立していくことが示されています。 初爻は、実力がありながらも下へ謙る者なので、やがては推戴されて君主となっていきます。 二爻は、不本意な相手に付きまとわれながらも賢明な判断が必要なことを説いています。 さらに、各爻にはむやみに進めば困難に陥ることや、執着心や嫉妬心には気をつける必要があることなども示されています。 水雷屯の時は、自分の内面に集中して適切な行動を取り続け、自己修養に努めましょう。 そうすれば、いずれは自分の立場や居場所を確立することができるでしょう。 《各爻の要点とキーワード》 🟥実力がありながら低い地位に甘んじる、進むことを躊躇、正しければやがて君主に 🟧伸び悩み、付き纏われて難儀、始めに困難がある、邪魔が去って常道に帰る 🟨欲を出して迷い込む、無闇に進み困難に陥る、迷い込...

易経|64卦384爻|03水雷屯(すいらいちゅん)の卦辞と爻辞、読み方、変卦など

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水雷屯 水雷屯は、易経六十四卦の3番目の卦です。 ䷂ 卦辞は、以下の通り。 屯は、元いに亨る、貞しきに利あり。用て往くところあるなかれ。候を建つるに利あり。 (ちゅんは、おおいにとおる、ただしきにりあり。もってゆくところあるなかれ。きみをたつるにりあり。)  水雷屯の初爻 水雷屯の初爻は、陽であり初九と言います。 初九は、陽位に陽で居る正の不及爻です。 🟥爻辞は、以下の通り。 初九は、磐桓す。貞に居るに利あり。候を建つるに利あり。 (しょきゅうは、はんかんす。ていにおるにりあり。きみをたつるにりあり。)   水雷屯の初爻が変ずると、 水地比 になります。 ䷂ →䷇ 水雷屯の二爻 水雷屯の二爻は、陰であり六二と言います。 六二は、陰位に陰で居る正の中庸爻です。 🟧爻辞は、以下の通り。 六二は、屯如たり。邅如たり。乗馬班如たり。冦するにあらず、婚媾せんとす。女子貞にして字せず。十年にして乃ち字す。 (りくじは、ちゅんじょたり。てんじょたり。じょうばはんじょたり。あだするにあらず、こんこうせんとす。じょしていにしてじせず。じゅうねんにしてすなわちじす。)  水雷屯の二爻が変ずると、 水沢節 になります。 ䷂→䷻ 水雷屯の三爻 水雷屯の三爻は、陰であり六三と言います。 六三は、陽位に陰で居る不正の過爻です。 🟨爻辞は、以下の通り。 六三は、鹿に即くに虞なし。ただ林中に入る。君子ほとんど舎つるに如かず。往けば吝。 (りくさんは、しかにつくにぐなし。ただりんちゅうにいる。くんしほとんどすつるにしかず。ゆけばりん。) 水雷屯の三爻が変ずると、 水火既済 になります。 ䷂→䷾ 水雷屯の四爻 水雷屯の四爻は、陰であり六四と言います。 六四は、陰位に陰で居る正の不及爻です。 🟩爻辞は、以下の通り。 六四は、乗馬班如たり。婚媾を求む。往けば吉、利あらざるなし。 (りくしは、じょうばはんじょたり。こんこうをもとむ。ゆけばきち、りあらざるなし。) 水雷屯の四爻が変ずると、 沢雷随 になります。 ䷂→䷐ 水雷屯の五爻 水雷屯の五爻は、陽であり九五と言います。 九五は、陽位に陽で居る正の中庸爻です。 🟦爻辞は、以下の通り。 九五は、その膏を屯す。小貞は吉。大貞は凶。 (きゅうごは、そのあぶらをちゅんす。しょうていはきち。だいていはきょう。) 水雷屯の五爻が変...

易占い|64卦384爻|02坤為地と各爻のメッセージとは?《人生の指針》

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Pixabay 坤為地のメッセージ 坤為地 ䷁ 易占いは、得た卦の卦辞と爻辞また各伝を読むほか、上下の八卦の象意や爻のあり方などをみて、問う人が直感でメッセージを選び取ることができるものです。 以下、周易における 坤為地と各爻のメッセージ を簡単にまとめました。 少しでも参考にしていただける部分がありましたら幸いです。 外卦(上卦)☷ 坤(地) 内卦(下卦)☷ 坤(地) 坤為地は、すべての爻が陰である純陰卦です。 陰は柔弱や消極的であることを表します。 穏やかで控えめなため、六十四卦の中で最も柔らかい女性らしさを象徴している卦です。 坤為地は受容性が高く、柔軟な態度で献身的に相手に尽くそうとしている時です。 「母なる大地」というように、広い心で大きく育むことに喜びを感じています。 心から尽くしたいと思える人物を支えることによって、自らの良さも発揮されていくでしょう。 このような従順な態度は女性的でもありますが、臣下としての正しいあり方とも言えます。 人の話を素直に聞き、正しい人の後について行くことによって良い結果を得られる時です。 仕えたいと思える相手を自ら判断して、よく見極めた上で脇役に徹するのが最も良いですが、不本意ながらも脇役に徹しなければならない場合もあります。 そういった状況であっても素直さによって良い結果を得られる時です。 地味であっても万事控えめにして、従順さを心がけて一歩下がって進むと良いでしょう。 このように、坤為地は基本的には受け身な態度を表しますが、小さくても悪い習慣を放置し続けているといずれ大悪になってしまうことも示されています。 取るべき必要な行動をせずに、惰性で物事を続けるのは良くありません。 坤為地には、改善すべきことに対しては消極的であってはならないことも示されています。 また、坤為地の時は我慢しなければならないことも多いかもしれませんが、耐え切れずに無闇に動いてしまうと危険であることも示されています。 坤為地は、己を虚しくして広い心を保ち続けることが大切な時です。 《各爻の要点とキーワード》 🟥徐々に悪くなる、悪習慣を改める、放置してはいけない、野放し、放任、惰性 🟧無理のない控えめさ、至って従順なる者、穏やか、母、女性的、素直、平穏 🟨不本意であっても表に出さない、脇役に徹する、主張しない、命ぜられるまま、包容 🟩口を固く...

易経|64卦384爻|02坤為地(こんいち)の卦辞と爻辞、読み方、変卦など

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坤為地 坤為地は、易経六十四卦の2番目の卦です。 ䷁ 卦辞は、以下の通り。 坤は、元いに亨る。牝馬の貞に利あり。君子往くところあり。先んずれば迷い、後るれば主を得て、利あり。西南に朋を得、東北に朋を喪う。貞に安んずれば吉なり。 (こんは、おおいにとおる。ひんばのていにりあり。くんしゆくところあり。さきんずればまよい、おくるればしゅをえて、りあり。せいなんにともをえ、とうほくにともをうしなう。ていにやすんずればきちなり。)  坤為地の初爻 坤為地の初爻は、陰であり初六と言います。 初六は、陽位に陰で居る不正の不及爻です。 🟥爻辞は、以下の通り。 初六は、霜を履んで堅氷至る。 (しょりくは、しもをふんでけんぴょういたる。)   坤為地の初爻が変ずると、 地雷復 になります。 ䷁→䷗ 坤為地の二爻 坤為地の二爻は、陰であり六二と言います。 六二は、陰位に陰で居る正の中庸爻です。 🟧爻辞は、以下の通り。 六二は、直方大なり。習わざれども利あらざるなし。 (りくじは、ちょくほうだいなり。ならわざれどもりあらざるなし。)    坤為地の二爻が変ずると、 地水師 になります。 ䷁→䷆ 坤為地の三爻 坤為地の三爻は、陰であり六三と言います。 六三は、陽位に陰で居る不正の過爻です。 🟨爻辞は、以下の通り。 六三は、章を含む、貞にすべし。或いは王事に従う。成すことなくして終ることあり。 (りくさんは、しょうをふくむ、ていにすべし。あるいはおうじにしたがう。なすことなくしておわることあり。)  坤為地の三爻が変ずると、 地山謙 になります。 ䷁→䷎ 坤為地の四爻 坤為地の四爻は、陰であり六四と言います。 六四は、陰位に陰で居る正の不及爻です。 🟩爻辞は、以下の通り。 六四は、嚢を括る。咎もなく、誉れもなし。 (りくしは、ふくろをくくる。とがもなく、ほまれもなし。)  坤為地の四爻が変ずると、 雷地豫 になります。 ䷁→䷏ 坤為地の五爻 坤為地の五爻は、陰であり六五と言います。 六五は、陽位に陰で居る不正の中庸爻です。 🟦爻辞は、以下の通り。 六五は、黄裳、元吉なり。 (りくごは、こうしょう、げんきつなり。)  坤為地の五爻が変ずると、 水地比 になります。 ䷁→䷇ 坤為地の上爻 坤為地の上爻は、陰であり上六と言...

易占い|64卦384爻|01乾為天と各爻のメッセージとは?《人生の指針》

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Pixabay 乾為天のメッセージ 乾為天 ䷀ 易占いは、得た卦の卦辞と爻辞また各伝を読むほか、上下の八卦の象意や爻のあり方などをみて、問う人が直感でメッセージを選び取ることができるものです。 以下、周易における 乾為天と各爻のメッセージ を簡単にまとめました。 少しでも参考にしていただける部分がありましたら幸いです。 外卦(上卦)☰ 乾(天) 内卦(下卦)☰ 乾(天) 乾為天は、すべての爻が陽である純陽卦です。 陽の気は、剛強で積極的であることを表します。 健やかで勢いがあるため、六十四卦の中で最も大きな活躍をする可能性を秘めています。 乾為天は、志を高く掲げてその達成に向けて積極的に行動していくことを表します。 心身の健全さを長く保ち続けるならば、目的は必ず成し遂げられるでしょう。 ただし、陽爻ばかりのため自主性が強過ぎ、独断で物事を決めてしまいがちです。 高潔な理想を掲げて少し焦り気味になることもあるかもしれません。 信頼できる人物に相談し、助言を素直に聞き入れながら物事を進めていくと良いでしょう。 実行力と賢明さを兼ね備えた人物になれば、多くの人々に利益をもたらすことができます。 乾為天は、動機の正しさとそれを持続することがとても大切な時です。 乾為天の卦には、龍が天に昇るが如く進む過程が示されています。 まだ地に潜んで人知れず努力していた時の志を長く継続して保ち続けることで、やがては飛龍となっていきます。 初心を忘れて調子に乗って昇りつめてしまうと、最後には亢龍となってしまう可能性もあるので気をつけなければなりません。 過度な権力欲や名誉欲、慢心にはくれぐれも注意しましょう。 乾為天は、偉大なる君子の道を表す卦です。 《各爻の要点とキーワード》 🟥時期ではない、力足らず、力を蓄える、志を立てる、努力、忍耐、隠忍自重(潜龍) 🟧表に出る、隠れ家から立ち出る、実力者と出会う、人脈、協力者、会見、積極(見龍) 🟨反省と努力の日々、危険な地位、過失を心配、自覚、油断大敵、警戒、戒懼(乾惕) 🟩改革の瀬戸際、信念を貫く、タイミングを見計らう、行動力、決断力を発揮(躍龍) 🟦偉大な人物、恩沢が万民に行き届く、大人物を見出す、賢者に相談、創造性(飛龍) 🟪自信過剰、調子に乗って失敗、過度の満足、充足の戒め、過ち、傲慢、後悔(亢龍) 『乾は、元いに亨る、貞しき...

易経|64卦384爻|01乾為天(けんいてん)の卦辞と爻辞、読み方、変卦など

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乾為天 乾為天は、易経六十四卦の1番目の卦です。 ䷀ 卦辞は、以下の通り。 乾は、元いに亨る、貞しきに利あり。 (けんは、おおいにとおる、ただしきにりあり。)  乾為天の初爻 乾為天の初爻は、陽であり初九と言います。 初九は、陽位に陽で居る正の不及爻です。 🟥爻辞は、以下の通り。 初九は、潜竜なり。用うるなかれ。 (しょきゅうは、せんりょうなり。もちうるなかれ。)   乾為天の初爻が変ずると、 天風姤 になります。 ䷀→䷫ 乾為天の二爻 乾為天の二爻は、陽であり九二と言います。 九二は、陰位に陽で居る不正の中庸爻です。 🟧爻辞は、以下の通り。 九二は、見竜田にあり、大人を見るに利あり。 (きゅうじは、けんりょうでんにあり、たいじんをみるにりあり。)  乾為天の二爻が変ずると、 天火同人 になります。 ䷀→䷌ 乾為天の三爻 乾為天の三爻は、陽であり九三と言います。 九三は、陽位に陽で居る正の過爻です。 🟨爻辞は、以下の通り。 九三は、君子終日乾々、夕べまで惕若たり。厲うけれども咎なし。 (きゅうさんは、くんししゅうじつけんけん、ゆうべまでてきじゃくたり。あやうけれどもとがなし。)  乾為天の三爻が変ずると、 天沢履 になります。 ䷀→䷉ 乾為天の四爻 乾為天の四爻は、陽であり九四と言います。 九四は、陰位に陽で居る不正の不及爻です。 🟩爻辞は、以下の通り。 九四は、或いは躍りて淵にあり。咎なし。 (きゅうしは、あるいはおどりてふちにあり。とがなし。)   乾為天の四爻が変ずると、 風天小畜 になります。 ䷀→䷈ 乾為天の五爻 乾為天の五爻は、陽であり九五と言います。 九五は、陽位に陽で居る正の中庸爻です。 🟦爻辞は、以下の通り。 九五は、飛竜天にあり、大人を見るに利あり。 (きゅうごは、ひりょうてんにあり、たいじんをみるにりあり。)   乾為天の五爻が変ずると、 火天大有 になります。 ䷀→䷍ 乾為天の上爻 乾為天の上爻は、陽であり上九と言います。 上九は、陰位に陽で居る不正の過爻です。 🟪爻辞は、以下の通り。 上九は、亢竜なり。悔あり。 (じょうきゅうは、こうりょうなり。くいあり。)   乾為天の上爻が変ずると、 沢天夬 になります。 ䷀→䷪ 用九 乾為天には、用九があります。 用九は、...