易経|64卦384爻|04山水蒙(さんすいもう)の卦辞と爻辞、読み方、変卦など
山水蒙
山水蒙は、易経六十四卦の4番目の卦です。
䷃
卦辞は、以下の通り。
蒙は、亨る。我童蒙を求むるにあらず。童蒙来りて我に求む。初筮は告ぐ。再三すれば瀆る。瀆るれば告げず。貞しきに利あり。
(もうは、とおる。われどうもうをもとむるにあらず。どうもうきたりてわれにもとむ。しょぜいはつぐ。さいさんすればけがる。けがるればつげず。ただしきにりあり。)
山水蒙の初爻
山水蒙の初爻は、陰であり初六と言います。
初六は、陽位に陰で居る不正の不及爻です。
🟥爻辞は、以下の通り。
初六は、蒙を発く。用て人を刑し、用て桎梏を説くに利あり。以て往けば吝。
(しょりくは、もうをひらく。もってひとをけいし、もってしっこくをとくにりあり。もってゆけばりん。)
山水蒙の初爻が変ずると、山沢損になります。
䷃→䷨
山水蒙の二爻
山水蒙の二爻は、陽であり九二と言います。
九二は、陰位に陽で居る不正の中庸爻です。
🟧爻辞は、以下の通り。
九二は、蒙を包ぬ、吉なり。婦を納るるに、吉なり。子、家を克くす。
(きゅうじは、もうをかぬ。きちなり。つまをいるるに、きちなり。こ、いえをよくす。)
山水蒙の二爻が変ずると、山地剥になります。
䷃→䷖
山水蒙の三爻
山水蒙の三爻は、陰であり六三と言います。
六三は、陽位に陰で居る不正の過爻です。
🟨爻辞は、以下の通り。
六三は、女を取るに用うるなかれ。金夫を見て、躬を有たず。利するところなし。
(りくさんは、じょをめとるにもちうるなかれ。きんぷをみて、みをたもたず。りするところなし。)
山水蒙の三爻が変ずると、山風蠱になります。
䷃→䷑
山水蒙の四爻
山水蒙の四爻は、陰であり六四と言います。
六四は、陰位に陰で居る正の不及爻です。
🟩爻辞は、以下の通り。
六四は、蒙に困しむ、吝なり。
(りくしは、もうにくるしむ、りんなり。)
山水蒙の四爻が変ずると、火水未済になります。
䷃→䷿
山水蒙の五爻
山水蒙の五爻は、陰であり六五と言います。
六五は、陽位に陰で居る不正の中庸爻です。
🟦爻辞は、以下の通り。
六五は、童蒙、吉なり。
(りくごは、どうもう、きちなり。)
山水蒙の五爻が変ずると、風水渙になります。
䷃→䷺
山水蒙の上爻
山水蒙の上爻は、陽であり上九と言います。
上九は、陰位に陽で居る不正の過爻です。
🟪爻辞は、以下の通り。
上九は、蒙を撃つ。冦をなすに利あらず。冦を禦ぐに利あり。
(じょうきゅうは、もうをうつ。あだをなすにりあらず。あだをふせぐにりあり。)
山水蒙の上爻が変ずると、地水師になります。
䷃→䷆
以上、卦辞と爻辞の書き下し文は、本田濟著『易』から引用しました。
山水蒙と変卦
下の図は、伏羲六十四卦方位図または伏羲六十四卦次序図と呼ばれる六十四卦の生成図を円形に並べた図です。
山水蒙と山水蒙の各爻が変じた卦を、以下のように色分けをして表示しました。
- 山水蒙=⬛️
- 山水蒙の初爻が変じた卦=🟥山沢損
- 山水蒙の二爻が変じた卦=🟧山地剥
- 山水蒙の三爻が変じた卦=🟨山風蠱
- 山水蒙の四爻が変じた卦=🟩火水未済
- 山水蒙の五爻が変じた卦=🟦風水渙
- 山水蒙の上爻が変じた卦=🟪地水師
対極の卦は、爻の陰陽がすべて逆になります。
山水蒙の対極に位置するのは、沢火革です。
これを、錯卦(裏卦)と言います。
易は、対極の性質の相互作用からなる絶え間ない変化の状態を示しています。
易占いの解釈においては、錯卦や綜卦、互卦などの変卦も用いられます。
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