易経|64卦384爻|06天水訟(てんすいしょう)の卦辞と爻辞、読み方、変卦など
天水訟
天水訟は、易経六十四卦の6番目の卦です。
䷅
卦辞は、以下の通り。
訟は、孚ありて塞がる。惕れて中すれば吉、終えんとすれば凶。大人を見るに利あり。大川を渉るに利あらず。
(しょうは、まことありてふさがる。おそれてちゅうすればきち。おえんとすればきょう。たいじんをみるにりあり。たいせんをわたるにりあらず。)
天水訟の初爻
天水訟の初爻は、陰であり初六と言います。
初六は、陽位に陰で居る不正の不及爻です。
🟥爻辞は以下の通り。
初六は、事とするところを永くせず。小しく言うことあれども、終に吉なり。
(しょりくは、こととするところをながくせず。すこしくものいうことあれども、ついにきちなり。)
天水訟の初爻が変ずると、天沢履になります。
䷅→䷉
天水訟の二爻
天水訟の二爻は、陽であり九二と言います。
九二は、陰位に陽で居る不正の中庸爻です。
🟧爻辞は、以下の通り。
九二は、訟に克たず、帰りて逋る。その邑人三百戸にして、眚なし。
(きゅうじは、しょうにかたず、かえりてのがる。そのゆうじんさんびゃっこにして、わざわいなし。)
天水訟の二爻が変ずると、天地否になります。
䷅→䷋
天水訟の三爻
天水訟の三爻は、陰であり六三と言います。
六三は、陽位に陰で居る不正の過爻です。
🟨爻辞は、以下の通り。
六三は、旧徳に食む。貞なれば厲けれども終に吉なり。或いは王事に従えば成すなし。
(りくさんは、きゅうとくにはむ。ていなればあやうけれどもついにきちなり。あるいはおうじにしたがえばなすなし。)
天水訟の三爻が変ずると、天風姤になります。
䷅→䷫
天水訟の四爻
天水訟の四爻は、陽であり九四と言います。
九四は、陰位に陽で居る不正の不及爻です。
🟩爻辞は、以下の通り。
九四は、訟に克たず。復って命に即き、渝りて、貞に安んずれば、吉なり。
(きゅうしは、しょうにかたず。かえってめいにつき、かわりて、ていにやすんずれば、きちなり。)
天水訟の四爻が変ずると、風水渙になります。
䷅→䷺
天水訟の五爻
天水訟の五爻は、陽であり九五と言います。
九五は、陽位に陽で居る正の中庸爻です。
🟦爻辞は、以下の通り。
九五は、訟え元吉なり。
(きゅうごは、うったえげんきつなり。)
天水訟の五爻が変ずると、火水未済になります。
䷅→䷿
天水訟の上爻
天水訟の上爻は、陽であり上九と言います。
上九は、陰位に陽で居る不正の過爻です。
🟪爻辞は、以下の通り。
上九は、或いはこれに鞶帯を錫う。終朝に三たびこれを褫わん。
(じょうきゅうは、あるいはこれにはんたいをたまう。しゅうちょうにみたびこれをうばわん。)
天水訟の上爻が変ずると、沢水困になります。
䷅→䷮
以上、卦辞と爻辞の書き下し文は、本田濟著『易』から引用しました。
天水訟と変卦
下の図は、伏羲六十四卦方位図または伏羲六十四卦次序図と呼ばれる六十四卦の生成図を円形に並べた図です。
天水訟と天水訟の各爻が変じた卦を、以下のように色分けをして表示しました。
- 天水訟=⬛️
- 天水訟の初爻が変じた卦=🟥天沢履
- 天水訟の二爻が変じた卦=🟧天地否
- 天水訟の三爻が変じた卦=🟨天風姤
- 天水訟の四爻が変じた卦=🟩風水渙
- 天水訟の五爻が変じた卦=🟦火水未済
- 天水訟の上爻が変じた卦=🟪沢水困
対極の卦は、爻の陰陽がすべて逆になります。
天水訟の対極に位置するのは、地火明夷です。
これを、錯卦(裏卦)と言います。
易は、対極の性質の相互作用からなる絶え間ない変化の状態を示しています。
易占いの解釈においては、錯卦や綜卦、互卦などの変卦も用いられます。
関連記事
易占い|64卦384爻|06天水訟と各爻のメッセージとは?《人生の指針》