易経|64卦384爻|14火天大有(かてんたいゆう)の卦辞と爻辞、読み方、変卦など
火天大有
火天大有は、易経六十四卦の14番目の卦です。
䷍
卦辞は、以下の通り。
大有は、元いに亨る。
(だいゆうは、おおいにとおる。)
火天大有の初爻
火天大有の初爻は、陽であり初九と言います。
初九は、陽位に陽で居る正の不及爻です。
🟥爻辞は、以下の通り。
初九は、害に交ることなし。咎あるにあらず。艱むときは咎なし。
(しょきゅうは、がいにわたることなし。とがあるにあらず。なやむときはとがなし。)
火天大有の初爻が変ずると、火風鼎になります。
䷍→䷱
火天大有の二爻
火天大有の二爻は、陽であり九二と言います。
九二は、陰位に陽で居る不正の中庸爻です。
🟧爻辞は、以下の通り。
九二は、大車以て載す。往くところあり、咎なし。
(きゅうじは、だいしゃもってのす。ゆくところあり、とがなし。)
火天大有の二爻が変ずると、離為火になります。
䷍→䷝
火天大有の三爻
火天大有の三爻は、陽であり九三と言います。
九三は、陽位に陽で居る正の過爻です。
🟨爻辞は、以下の通り。
九三は、公用て天子に亨す。小人は克わず。
(きゅうさんは、こうもっててんしにきょうす。しょうじんはあたわず。)
火天大有の三爻が変ずると、火沢睽になります。
䷍→䷥
火天大有の四爻
火天大有の四爻は、陽であり九四と言います。
九四は、陰位に陽で居る不正の不及爻です。
🟩爻辞は、以下の通り。
九四は、その彭なるにあらず。咎なし。
(きゅうしは、そのさかんなるにあらず。とがなし。)
火天大有の四爻が変ずると、山天大畜になります。
䷍→䷙
火天大有の五爻
火天大有の五爻は、陰であり六五と言います。
六五は、陽位に陰で居る不正の中庸爻です。
🟦爻辞は、以下の通り。
六五は、その孚あって交如たり威如たるときは、吉なり。
(りくごは、そのまことあってこうじょたりいじょたるときは、きちなり。)
火天大有の五爻が変ずると、乾為天になります。
䷍→䷀
火天大有の上爻
火天大有の上爻は、陽であり上九と言います。
上九は、陰位に陽で居る不正の過爻です。
🟪爻辞は、以下の通り。
上九は、天よりこれを祐く。吉にして利あらざるなし。
(じょうきゅうは、てんよりこれをたすく。きちにしてりあらざるなし。)
火天大有の上爻が変ずると、雷天大壮になります。
䷍→䷡
以上、卦辞と爻辞の書き下し文は、本田濟著『易』から引用しました。
火天大有と変卦
下の図は、伏羲六十四卦方位図または伏羲六十四卦次序図と呼ばれる六十四卦の生成図を円形に並べた図です。
火天大有と火天大有の各爻が変じた卦を、以下のように色分けをして表示しました。
- 火天大有=⬛️
- 火天大有の初爻が変じた卦=🟥火風鼎
- 火天大有の二爻が変じた卦=🟧離為火
- 火天大有の三爻が変じた卦=🟨火沢睽
- 火天大有の四爻が変じた卦=🟩山天大畜
- 火天大有の五爻が変じた卦=🟦乾為天
- 火天大有の上爻が変じた卦=🟪雷天大壮
対極の卦は、爻の陰陽がすべて逆になります。
火天大有の対極に位置するのは、水地比です。
これを、錯卦(裏卦)と言います。
易は、対極の性質の相互作用からなる絶え間ない変化の状態を示しています。
易占いの解釈においては、錯卦や綜卦、互卦などの変卦も用いられます。
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