易経|64卦384爻|17沢雷随(たくらいずい)の卦辞と爻辞、読み方、変卦など
沢雷随
沢雷随は、易経六十四卦の17番目の卦です。
䷐
卦辞は、以下の通り。
随は、元いに亨る貞しきに利あり。咎なし。
(ずいは、おおいにとおるただしきにりあり。とがなし。)
沢雷随の初爻
沢雷随の初爻は、陽であり初九と言います。
初九は、陽位に陽で居る正の不及爻です。
🟥爻辞は、以下の通り。
初九は、官渝ることあり。貞なれば吉。門を出でて交わるに功あり。
(しょきゅうは、かんかわることあり。ていなればきち。もんをいでてまじわるにこうあり。)
沢雷随の初爻が変ずると、沢地萃になります。
䷐→䷬
沢雷随の二爻
沢雷随の二爻は、陰であり六二と言います。
六二は、陰位に陰で居る正の中庸爻です。
🟧爻辞は、以下の通り。
六二は、小子に係りて、丈夫を失う。
(りくじは、しょうしにかかりて、じょうふをうしなう。)
沢雷随の二爻が変ずると、兌為沢になります。
䷐→䷹
沢雷随の三爻
沢雷随の三爻は、陰であり六三と言います。
六三は、陽位に陰で居る不正の過爻です。
🟨爻辞は、以下の通り。
六三は、丈夫に係りて、小子を失う。随って求むるあれば得。貞に居るに利あり。
(りくさんは、じょうふにかかりて、しょうしをうしなう。したがってもとむるあればう。ていにおるにりあり。)
沢雷随の三爻が変ずると、沢火革になります。
䷐→䷰
沢雷随の四爻
沢雷随の四爻は、陽であり九四と言います。
九四は、陰位に陽で居る不正の不及爻です。
🟩爻辞は、以下の通り。
九四は、随って獲るあり。貞なれども凶。孚あって道に在り、以て明らかなれば、何の咎あらん。
(きゅうしは、したがってうるあり。ていなれどもきょう。まことあってみちにあり、もってあきらかなれば、なんのとがあらん。)
沢雷随の四爻が変ずると、水雷屯になります。
䷐→䷂
沢雷随の五爻
沢雷随の五爻は、陽であり九五と言います。
九五は、陽位に陽で居る正の中庸爻です。
🟦爻辞は、以下の通り。
九五は、嘉に孚あり、吉なり。
(りくごは、かにまことあり、きちなり。)
沢雷随の五爻が変ずると、震為雷になります。
䷐→䷲
沢雷随の上爻
沢雷随の上爻は、陰であり上六と言います。
上六は、陰位に陰で居る正の過爻です。
🟪爻辞は、以下の通り。
上六は、これを拘え係る。乃ち従ってこれを維ぐ。王用て西山に亨す。
(じょうりくは、これをとらえくくる。すなわちしたがってこれをつなぐ。おうもってせいざんにきょうす。)
沢雷随の上爻が変ずると、天雷无妄になります。
䷐→䷘
以上、卦辞と爻辞の書き下し文は、本田濟著『易』から引用しました。
沢雷随と変卦
下の図は、伏羲六十四卦方位図または伏羲六十四卦次序図と呼ばれる六十四卦の生成図を円形に並べた図です。
沢雷随と沢雷随の各爻が変じた卦を、以下のように色分けをして表示しました。
- 沢雷随=⬛️
- 沢雷随の初爻が変じた卦=🟥沢地萃
- 沢雷随の二爻が変じた卦=🟧兌為沢
- 沢雷随の三爻が変じた卦=🟨沢火革
- 沢雷随の四爻が変じた卦=🟩水雷屯
- 沢雷随の五爻が変じた卦=🟦震為雷
- 沢雷随の上爻が変じた卦=🟪天雷无妄
対極の卦は、爻の陰陽がすべて逆になります。
沢雷随の対極に位置するのは、山風蠱です。
これを、錯卦(裏卦)と言います。
易は、対極の性質の相互作用からなる絶え間ない変化の状態を示しています。
易占いの解釈においては、錯卦や綜卦、互卦などの変卦も用いられます。
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