易経|64卦384爻|18.山風蠱(さんぷうこ)の卦辞と爻辞、読み方、変卦など
山風蠱
山風蠱は、易経六十四卦の18番目の卦です。
䷑
卦辞は、以下の通り。
蠱は、元いに亨る。大川を渉るに利あり。甲に先だつこと三日、甲に後るること三日。
(こは、おおいにとおる。たいせんをわたるにりあり。こうにさきだつことみっか、こうにおくるることみっか。)
山風蠱の初爻
山風蠱の初爻は、陰であり初六と言います。
初六は、陽位に陰で居る不正の不及爻です。
🟥爻辞は、以下の通り。
初六は、父の蠱に幹たり。子あれば考咎なし。厲めば終に吉。
(しょりくは、ちちのことにかんたり。こあればちちとがなし。あやぶめばついにきち。)
山風蠱の初爻が変ずると、山天大畜になります。
䷑→䷙
易経|64卦384爻|26.山天大畜(さんてんたいちく)の卦辞と爻辞、読み方、変卦など
山風蠱の二爻
山風蠱の二爻は、陽であり九二と言います。
九二は、陰位に陽で居る不正の中庸爻です。
🟧爻辞は、以下の通り。
九二は、母の蠱に幹たり。貞にすべからず。
(きゅうじは、ははのことにかんたり。ていにすべからず。)
山風蠱の二爻が変ずると、艮為山になります。
䷑→䷳
易経|64卦384爻|52.艮為山(ごんいざん)の卦辞と爻辞、読み方、変卦など
山風蠱の三爻
山風蠱の三爻は、陽であり九三と言います。
九三は、陽位に陽で居る正の過爻です。
🟨爻辞は、以下の通り。
九三は、父の蠱に幹たり。小しく悔あり、大なる咎なし。
(きゅうさんは、ちちのことにかんたり。すこしくくいあり、おおいなるとがなし。)
山風蠱の三爻が変ずると、山水蒙になります。
䷑→䷃
易経|64卦384爻|4.山水蒙(さんすいもう)の卦辞と爻辞、読み方、変卦など
山風蠱の四爻
山風蠱の四爻は、陰であり六四と言います。
六四は、陰位に陰で居る正の不及爻です。
🟩爻辞は、以下の通り。
六四は、父の蠱を裕うす、往くときは吝を見る。
(りくしは、ちちのことをゆるうす。ゆくときはりんをみる。)
山風蠱の爻四が変ずると、火風鼎になります。
䷑→䷱
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山風蠱の五爻
山風蠱の五爻は、陰であり六五と言います。
六五は、陽位に陰で居る不正の中庸爻です。
🟦爻辞は、以下の通り。
六五は、父の蠱に幹たり、用て誉れあり。
(りくごは、ちちのことにかんたり、もってほまれあり。)
山風蠱の五爻が変ずると、巽為風になります。
䷑→䷸
易経|64卦384爻|57.巽為風(そんいふう)の卦辞と爻辞、読み方、変卦など
山風蠱の上爻
山風蠱の上爻は、陽なので上九と言います。
上九は、陰位に陽で居る不正の過爻です。
🟪爻辞は、以下の通り。
上九は、王候に事えず、その事を高尚にす。
(じょうきゅうは、おうこうにつかえず、そのことをこうしょうにす。)
山風蠱の上爻が変ずると、地風升になります。
䷑→䷭
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以上、卦辞と爻辞の書き下し文は、本田濟著『易』から引用しました。
山風蠱と変卦
下の図は、伏羲六十四卦方位図または伏羲六十四卦次序図と呼ばれる六十四卦の生成図を円形に並べた図です。
山風蠱と山風蠱の各爻が変じた卦を、以下のように色分けをして表示しました。
- 山風蠱=⬛️
- 山風蠱の初爻が変じた卦=🟥山天大畜
- 山風蠱の二爻が変じた卦=🟧艮為山
- 山風蠱の三爻が変じた卦=🟨山水蒙
- 山風蠱の四爻が変じた卦=🟩火風鼎
- 山風蠱の五爻が変じた卦=🟦巽為風
- 山風蠱の上爻が変じた卦=🟪地風升
対極の卦は、爻の陰陽がすべて逆になります。
山風蠱の対極に位置するのは、沢雷随です。
これを、錯卦(裏卦)と言います。
易は、対極の性質の相互作用からなる絶え間ない変化の状態を示しています。
易占いの解釈においては、錯卦や綜卦、互卦などの変卦も用いられます。
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